天王星
天王星は、横倒しになったまま太陽のまわりを回る風変わりな巨大氷惑星です。望遠鏡で発見された最初の惑星で、これまでに訪れた探査機はたった1機という、なぞに満ちた世界です。
| 太陽からの平均距離 | 19.22 AU(約28億7,500万km) |
|---|---|
| 直径 | 51,118 km(地球の約4.0倍) |
| 表面重力 | 地球の約0.89倍 |
| 1日(自転) | 約17時間14分(逆回転) |
| 1年(公転) | 約30,688日(約84年) |
| 自転軸の傾き | 約97.77°(横倒し) |
| 平均気温 | 約-195°C |
| 衛星 | 25個以上(2025年時点) |
| 環 | あり(暗く細い環が13本) |
どんな惑星?
天王星は太陽から7番目の惑星で、平均約19.2 AUの距離を回っています。直径は約51,118 kmで地球の約4倍、太陽のまわりを1周するのに約84年かかります。1781年にイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルが望遠鏡で発見し、望遠鏡で見つかった最初の惑星になりました。とても暗く、よく晴れた真っ暗な夜にかろうじて肉眼で見える程度なので、それまでは恒星だと思われていました。
天王星と海王星は巨大氷惑星に分類されます。外側は水素とヘリウムの大気に覆われていますが、その下には水、アンモニア、メタンが高温・高圧のもとでぎっしりと混ざり合った厚い層があり、中心には岩石の核があると考えられています。天文学ではこれらの物質を「氷」と呼びますが、実際には私たちが知っている固い氷とはまったく違う状態です。
天王星のいちばんの特徴は、約97.77°という自転軸の傾きです。いわば横倒しのまま、ころがるように太陽のまわりを回っています。大昔に大きな天体と衝突して倒れたという説が有力ですが、正確な原因はまだわかっていません。1日(自転)は約17時間14分で、傾きが90°を超えているため、ほかの惑星と逆向きに自転していると表現されることもあります。表面重力は地球の約0.89倍です。
大気と天気
天王星の大気はおもに水素とヘリウムで、メタンが少し含まれています。メタンが赤い光を吸収して青い光を残すため、天王星はやわらかな青緑色に見えます。平均気温は約-195°Cで、上層大気では-220°Cを下回る温度も記録されており、太陽系でもっとも寒い惑星の大気です。海王星より太陽に近いのにこれほど寒いのは、内部から漏れ出る熱がとても少ないためだと考えられています。
横倒しの傾きは、極端な季節を生みます。公転に約84年かかるため、それぞれの極では約42年間ずっと太陽が当たり続け、そのあと約42年間は暗闇が続きます。1986年にボイジャー2号が通過したときの天王星は、ほとんど模様のないのっぺりとした姿でしたが、その後のハッブル宇宙望遠鏡や地上の望遠鏡による観測では、季節の変化にともなって明るい雲や嵐、極の上の明るいキャップが現れる様子がとらえられています。
衛星と環
2025年時点で、天王星には25個を超える衛星が知られています。ほかの惑星の衛星はおもに神話の登場人物にちなんで名づけられていますが、天王星の衛星はウィリアム・シェイクスピアやアレキサンダー・ポープの作品の登場人物から名前がとられています。主な5つの衛星は次のとおりです。
- ミランダ:5つのなかでいちばん小さく、いちばん内側を回る衛星です。別々のパーツを縫い合わせたようなちぐはぐな地形と、目がくらむほど高い崖で有名です。
- アリエル:5つのなかでもっとも若々しく明るい表面を持っています。
- ウンブリエル:5つのなかでもっとも暗い表面を持っています。
- チタニア:直径約1,580 kmで、天王星最大の衛星です。
- オベロン:2番目に大きな衛星で、5つのなかでいちばん外側を回っています。
天王星にも環があります。1977年、天王星が恒星の前を横切るときに、星の光が何度もまたたくのが観測されて発見されました。いまのところ13本の環が知られています。土星の環とは違って暗く細いため、見つけるのは簡単ではありません。惑星が横倒しなので、環もいっしょに傾いたまま太陽のまわりを回っています。
探査の歴史
これまでに天王星を訪れた探査機は、ボイジャー2号の1機だけです。1977年に打ち上げられたボイジャー2号は、木星と土星を経て1986年1月に天王星のそばを通過し、短い時間で多くのことを明らかにしました。
- 新しい衛星を10個、新しい環を2本発見しました。
- 天王星の磁場が自転軸から約59°傾いていて、惑星の中心からも大きくずれていることを初めて突き止めました。
- ミランダの奇妙な地形をはじめ、主な衛星の姿を初めて近くから撮影しました。
その後は、ハッブル宇宙望遠鏡や地上の大型望遠鏡、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が天王星を観測し続け、環や大気の変化を記録しています。アメリカの惑星科学界は、天王星の周回機と大気突入機を送る計画を、今後もっとも優先すべき大型探査として提言しました。実現すれば、ボイジャー2号以来はじめて、天王星を近くからじっくり観測することになります。
おもしろ豆知識
- 天王星は、望遠鏡で発見された最初の惑星です。ハーシェルは、はじめは彗星だと思っていました。
- ハーシェルは国王ジョージ3世をたたえて「ジョージの星(ゲオルギウム・シドゥス)」と名づけたいと考えましたが、最終的にはギリシャ神話の天空の神ウラノスの名前がつけられました。日本語の「天王星」も、この天空の神にちなんだ名前です。
- 天王星の極では、太陽が沈まない約42年の夏と、太陽がのぼらない約42年の冬が交互にやってきます。
- 天王星や海王星の内部の奥深くでは、高い圧力によって炭素がダイヤモンドになり、雨のように降っているかもしれないという説があります。ただし、直接確かめられたわけではありません。
Planeticaで見てみよう
太陽系ビューでは、天王星は土星の外側、7番目の軌道に現れます。J2000軌道要素をもとに計算した今日の実際の位置に置かれていますが、公転周期が約84年もあるため、とてもゆっくりとしか動かず、人の一生でようやく1周するかどうかです。
天王星を選んで近くまで飛んでいくと、細い環をまとった姿が見えます。実際の衛星をもとにした衛星たちがいっしょに回っていて、見やすいように本当の比率より大きく描かれています。大きさ、重力、1日の長さ、自転軸の傾き(97.77°)、平均気温、公転周期は実際の値にもとづいています。
表面の模様は、Planeticaの惑星生成機能が惑星タイプに合わせて作ったものです。実際の天王星は、模様のほとんどない、なめらかな青緑色の球に近いことも覚えておいてくださいね。
ほかの惑星
自分だけの惑星系をつくろう
名前と誕生日を入れると、世界にひとつだけの惑星系が生まれ、誕生日の星座にある実在の星のそばに置かれます。