海王星
海王星は太陽から8番目の、もっとも遠い惑星です。見つかる前に計算によって位置が予言された惑星で、この青い巨大氷惑星には太陽系でいちばん速い風が吹いています。
| 太陽からの平均距離 | 30.11 AU(約45億km) |
|---|---|
| 直径 | 49,528 km(地球の約3.9倍) |
| 表面重力 | 地球の約1.14倍(雲頂) |
| 1日(自転) | 約16時間7分 |
| 1年(公転) | 約60,182日(約165年) |
| 自転軸の傾き | 約28.32° |
| 平均気温 | 約-200°C |
| 衛星 | 15個以上(2025年時点) |
| 環 | あり(かすかな環が5本) |
どんな惑星?
海王星は太陽系で8番目、いちばん外側の惑星で、太陽から平均約30.1 AU、つまり約45億kmの距離を回っています。直径は約49,528 kmで地球の約3.9倍。天王星より少し小さいものの、質量は海王星のほうが大きいです。太陽のまわりを1周するのに約165年かかるため、1846年に発見されてから最初の1周を終えたのは2011年のことでした。
海王星も天王星と同じく巨大氷惑星です。水素、ヘリウム、少しのメタンからなる大気の下に、水、アンモニア、メタンが高い圧力のもとで混ざり合った厚い層があり、中心には岩石の核があると考えられています。質量が大きいので、雲頂の重力は地球の約1.14倍。木星に次いで高い値です。
1日(自転)は約16時間7分で、自転軸は約28.32°傾いているため、地球のように季節があります。ただ1年が約165年もあるので、ひとつの季節が40年以上も続きます。
大気と天気
海王星の雲頂の平均気温は約-200°Cです。大気中のメタンが赤い光を吸収するため、惑星は青く見えます。広く知られた深い青色の画像は、実は模様を目立たせるために色を強調したもので、最近の研究では、本当の色は天王星に近い淡い青緑色だとわかってきました。
海王星は太陽からいちばん遠く、地球の約900分の1の日光しか受け取っていないのに、太陽系でいちばん速い風が吹き、時速約2,000 kmにも達します。海王星は太陽から受け取る熱の2倍以上を内部から放っていて、この内部の熱が激しい天気を動かす力になっていると考えられています。
1989年、ボイジャー2号は南半球に地球ほどの大きさの暗い渦の嵐、大暗斑を発見しました。ところが数年後にハッブル宇宙望遠鏡で観測すると、その嵐は消えていて、その後は別の場所で新しい暗斑が現れたり消えたりする様子が見られています。暗斑のまわりには、メタンの氷でできた白い雲が漂うこともあります。
衛星と環
2025年時点で、海王星には15個を超える衛星が知られています。そのなかで特に目立つのがトリトンです。
- トリトン:海王星が見つかってからわずか17日後の1846年に、イギリスの天文学者ウィリアム・ラッセルが発見しました。直径は約2,707 kmで、海王星の衛星全体の質量のほとんどを占めています。惑星の自転と逆向きに回る逆行軌道を持つ、太陽系で唯一の大きな衛星で、かつて海王星の外側のエッジワース・カイパーベルトをさまよっていた天体がとらえられたものだと考えられています。表面温度は-235°C前後と太陽系でもっとも寒い場所のひとつで、ボイジャー2号は窒素ガスやちりが噴き上がる様子を観測しました。
- ネレイド:1949年に発見された衛星で、とても細長いだ円軌道を回っています。
- プロテウス:海王星で2番目に大きな衛星ですが、表面が暗く海王星の近くを回っているため、1989年にボイジャー2号が訪れるまで見つかりませんでした。
海王星には、かすかな環も5本あります。海王星の発見や研究に貢献した天文学者にちなんで、ガレ環、ルヴェリエ環、ラッセル環、アラゴ環、アダムズ環と名づけられています。いちばん外側のアダムズ環には物質が集まったかたまりがあり、明るい弧(アーク)として見えるのが特徴です。2022年には、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が海王星の環を鮮明にとらえました。
探査の歴史
海王星は、望遠鏡で偶然見つかったのではなく、先に計算で見つかった惑星です。天王星が予測された道すじから少しずれて動いていることに気づいた天文学者たちは、その外側にある見えない惑星が天王星を引っぱっているのではないかと考えました。フランスのユルバン・ルヴェリエが位置を計算し、1846年9月、ドイツのベルリン天文台のヨハン・ガレが予測された場所の近くで海王星を発見しました。イギリスのジョン・クーチ・アダムズも同じような計算をしていたことが知られています。実はガリレオも1612〜1613年に海王星を見ていましたが、恒星だと思って記録しただけでした。
これまでに海王星を訪れた探査機は、ボイジャー2号の1機だけです。
- 1977年に打ち上げられたボイジャー2号は、木星、土星、天王星を順に通過したのち、1989年8月に海王星のそばを通りました。4つの巨大惑星すべてを訪れた唯一の探査機です。
- 大暗斑や猛烈な風、環の姿、トリトンの噴出を発見し、新しい衛星もいくつも見つけました。
- 海王星の北極の上空をすれすれに通過してトリトンのほうへ向きを変えたあと、太陽系の外へ向かって飛んでいきました。
その後は、ハッブル宇宙望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、地上の大型望遠鏡が、海王星の天気や環を見守り続けています。
おもしろ豆知識
- 海王星は、数学的な予測によって発見された最初の惑星です。
- 海王星の1年は約165年なので、発見されてから太陽のまわりをまだ1周と少ししか回っていません。
- 冥王星の軌道の一部は海王星の軌道より内側に入り込みますが、海王星が3周するあいだに冥王星が2周するという共鳴関係のおかげで、両者がぶつかることはありません。
- トリトンはごくゆっくりと海王星に近づいていて、はるか遠い未来にはばらばらに砕けて、海王星の新しい環になるかもしれないという予測もあります。
- 英語名のネプチューン(Neptune)は、ローマ神話の海の神ネプトゥヌスに由来します。日本語の「海王星」も「海の王の星」という意味で、青い惑星にぴったりの名前です。
Planeticaで見てみよう
太陽系ビューでは、海王星はいちばん外側、8番目の軌道に現れます。ほかの惑星と同じく、J2000軌道要素をもとに計算した今日の実際の位置に置かれていますが、1周に約165年かかるため、ほとんど止まっているように見えます。内側の惑星たちの軌道と比べてみると、太陽系の広さを実感できますよ。
海王星を選んで近くまで飛んでいくと、実際の衛星をもとにした衛星たちがいっしょに回っているのが見えます。衛星は見やすいように本当の比率より大きく描かれています。大きさ、重力、1日の長さ、自転軸の傾き、平均気温、公転周期は実際の値にもとづいています。
表面の模様はPlaneticaの惑星生成機能が作ったものなので、海王星の実際の雲や暗斑の地図ではありません。そのかわり、名前と誕生日から生まれたあなただけの惑星系と、太陽系の本物の外側の惑星たちを並べて比べてみることができます。
ほかの惑星
自分だけの惑星系をつくろう
名前と誕生日を入れると、世界にひとつだけの惑星系が生まれ、誕生日の星座にある実在の星のそばに置かれます。